SueKawanishi/Nara

梅戸の家|atelier thu | 兵庫、神戸の建築設計事務所

梅戸の家






所 在 地奈良/ 川西
用途専用住宅
規模2階建て
敷地面積412.28㎥
延床面積110.96㎥


場所は奈良県川西市、島の山古墳と呼ばれる前方後円墳に面する位置にある。施主はこの古墳のそばにある環境を気に入り、自身の営む陶芸工房を併設した住居を建てることを希望した。敷地には古屋が建ち、5メートルを超える木々がのびのびと育っていた。古墳へと視線が抜けるように、既存の樹木の間に建物を据えることができればと考えた。

建物の配置は、道路と平行に建つことが定石であるが、そうすると古墳への視線が建物の角にきてしまう。そこで視線軸に対し直行するように開口部を設けるため建物を回転させ、建物と樹木が当たった角からヴォリュームをとり除く。すると四角形が二つ重なり合った形が浮かびあがった。大きいヴォリュームには、工房、居間の外に開いたパブリックゾーン。小さいヴォリュームには個室や水廻りの外に閉じたプライベートゾーンとして、性質の異なる用途の室をそれぞれ割り当て、仕上も明確に分けることにした。

また、道路を挟んで向かいには町立体育館が隣接しており、小さいヴォリュームを正面に配置することで、大きなヴォリュームからの視線が古墳へと誘導され、ちょうど良い見え方となるだけでなく、体育館からも室内を覗きにくい。2階の居間の角に立つと、北側の樹木と南側の樹木が同時に視界に飛び込んでくる。時間帯によって室内にできた木陰が静かに揺れ、樹木の向こうには古墳を囲う水面がキラキラと揺らめく。この土地のもつ魅力を少しでも取り入れることができたのではないかと思う。