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湯梨浜の家|atelier thu | 兵庫、神戸の建築設計事務所

Project Name

湯梨浜の家





Location鳥取県
Main use住宅
Structur木造
Building area114.28㎥


 計画地は北側に日本海、海沿いに羽合砂丘が広がっており、海岸線沿いを走る山陰自動車道の南側に位置する。敷地から自動車道を挟んで美しい景色が広がっていた。このプロジェクトでは風景をどう切り取るかということが求められた。


水平に広がる美しい景色を強調するため、北側には横長の水平窓を計画した。前面道路や自動車道からの視線を遮る高さに窓を設け、FIX窓とすることで自動車道からの音の軽減を図った。明るさを抑えた室内には、ひらけた北側の均質な光が入り、切り取られた風景をより鮮明に見ることができる。ダイニングに立って外を眺めると、車が窓枠の上を走っているような面白い見え方となった。

 

また、リビングやダイニングの椅子に座ると目線が下がり、完全に自動車道は遮られ、窓の外には青い空だけが広がる。

 

主寝室のカウンターと繋がる水平窓からは、日本海と羽合平野の美しい景色が一望でき、読書やコーヒーを飲みながらゆっくりとした時間が流れる夫婦だけの特別な空間となった。

 

 

 外観は施主の要望で、工場や倉庫使われることの多い波型スレートを採用した。住宅としてはあまり採用されない素材であるが、コストの割に耐久性に優れた素材であることがわかった。内装には構造用の針葉樹合板や木毛セメント板を採用することで、空間に無骨な印象を与え、グレーを基調とした空間は「倉庫のような家」を実現した。