Hyojo

三郷の家|atelier thu | 兵庫、神戸の建築設計事務所

Project Name

三郷の家





Location奈良県
Main use住宅
Structur木造
Building area86.92㎥


場所は奈良県西部、信貴山と松尾山の麓に位置する住宅地である。周囲を住宅に囲まれてはいるが、隣地との高低差によって生まれる隙間から山の風景を眺めることができた。施主からは庭にドッグランを設け室内から犬が庭を走り回るのを眺められること、2階を屋根裏のような空間としたいなどの要望があった。立体的な地形を読み取り、山の風景を取り入れながらプライバシーの守られた住まいとなることを目指した。


庭に設けるドッグランは犬が外に逃げ出ないように、周囲を塀などで囲む必要があったが、限られた予算の中で外構に掛かる費用を抑えるため、庭を既存のフェンスと建物で囲むように配置したいと考えた。まず初めにL字型の平面を考えてみると、庭を囲むことはできるが、1階からは周辺の住宅しか見えず、土地の良さを活かしきれていないと感じた。

そこで、L字の1辺の軸を眺望の良い方向へ斜めに振ることで、建物の間に山並みが広がり視線が抜けた。駐車スペースも建物なりに斜めに確保でき中庭も広々とし、さらに通行人の視線は建物で遮られプライバシーも守ることができた。 

斜めに交わる空間は、LDK を緩やかに繋げる。

南からの温かい陽射しが室内に差し込む。

開放的なリビングの空間。

それぞれの部屋が見え隠れする。

建物の合間を視線が抜ける。

中庭に面する南側の家は窓を設けていないため、視線を気にせず開くことができた。

中庭へとアプローチしやすい位置に設けられた犬小屋。

アンティーク家具を利用した洗面台。

階段下の空間を利用した、クローゼット。

1階と2階を繋ぐ、階段の踊り場。

山並みを眺めるために設けられたドーマー窓。

大屋根は南側を1階の桁の高さまで伸ばすことで、2階に屋根裏のような空間を演出した。

2階とリビングを繋ぐ室内窓。

斜めの軸や矩勾配の切妻屋根は、見る位置によって様々な表情を見せてくれる。